よいちろ日記

忘れないようにメモ。

観客席がグルグル回る「髑髏城の七人 Season 鳥」観た。

森山未來の怪演を観に。ストーリーはまあ分かりやすくて楽しめた。

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今回見たのは「花鳥風月」4シーズンの「鳥」。
 
特筆すべきは360°回転するステージ。まだお試しという感じの使い方なのかな。
ちなみにこういう構造になっている。

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この全方向型劇場は、2010年にオランダ・アムステルダムで上演を開始した「Soldaat van Oranje(邦題:女王陛下の戦士)」のために世界で初めて作られたシアターで、同作品は今日まで約190万人を動員する記録的なロングラン公演を続けている。
 
・見えているのは90°の範囲のみ。客席が回転することで別の90°が見える。
・なので、最前列が一番良い席で、後ろに行くほどランクがさがるというのは今までの舞台と同じ。
・同じ舞台上で、大道具を入れ替える必要が無いので、思い切ったレイアウトが可能。
・A→B→Aという場面転換が容易なので、ストーリー表現が繊細になる。
 
本物の水を使用して水辺を作り出したり、舞台Aから舞台Bへの移動を客席回転とともにすることで広い世界が演出表現されていた。単純に舞台切り替えの高速化と、描ける世界の幅が広がることで、観客の没入感はアップしていると思う。舞台演劇というより、シーンがぱっと切り替わるという意味では映画に近い感じがした。舞台間のシームレスな行き来を有効に使った走馬灯のようなシーンや、2つの舞台を同時に使うことで時間軸が並行するようなストーリー展開などが面白そう。タイムスリップモノやワープモノもイケそう。細かいけれど、暗転&客席回転に合わせてプロジェクションマッピングで投影風景を水平移動させ、酔いを防止する工夫がされていたのはありがたかった。せっかく新しい表現でも、それが不快になってしまっては元も子もない。
 
ところで、「髑髏城の七人」自体はかなりのロングラン公演らしく、前後比較した人がいて面白い。
ただ、こkのブログでも言われている通り、舞台機能を若干持て余している感じは、初見でも感じた。
 
昔のプレーンな舞台の公演は、DVDが出ているので、回転ステージ版との比較をして観てみたい。
『髑髏城の七人』DVD

『髑髏城の七人』DVD

 
劇場で知ったんだけど原作小説もあるみたい。 (しかも出たの最近ぽい。)
髑髏城の七人 (双葉文庫)

髑髏城の七人 (双葉文庫)

 
 
このぐるぐる回転装置を使った演劇がどうやって進化していくか、目が離せない。

人が物語(コンテンツ)を求める理由を考える。

人はなぜコンテンツを欲するのだろうか。人はなぜ物語を欲するのだろうか。ゲーム、映画、色恋沙汰、ゴシップ、はたまた人との雑談は、なぜこれほど多くの人を魅了して、人生を投下させるのだろうかが気になった。
 
それを考えるために、
・人の欲求が発生する所以。
・人の欲求発生の中での物語の位置づけ。
・その上で物語(コンテンツ)とはどういうものだろうか。
を考えた。調べれば調べるほど深い世界。

人の欲求が発生する所以。

人はなぜ感動するのだろうか、人はなぜ物語を求めるのか、ということを調べて、考えていた過程で進化人類学という学問の存在を知った。
人間の行動と進化論―ドーキンスの利己的遺伝子説の限界とその改良

人間の行動と進化論―ドーキンスの利己的遺伝子説の限界とその改良

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書 (323))

進化と人間行動

進化と人間行動

・ヒトが他の動物と異なる知性を獲得したのには、火の利用と二足歩行と手の器用さが挙げられる。
・火が使えることで食料の殺菌、保存、加工が可能になった。二足歩行は手を自由にし、道具の開発を可能にした。遠くを見渡せ、疲れにくく移動に特化した姿勢でもある。
・食材の加熱で消化が容易になり、摂取カロリーも増えた。消化に使う体力と時間が減り、他のことに時間を使えるようになった。
・ヒトの生活が、現代のように劇的に変化したのはたかだかここ数千年くらい。
・ヒトが営んできた生活というのは、その1000年単位には比べるまでもなく600万年という長い歴史がある。1000倍の単位で影響してくる。
・その600万年の間で長らく培われたヒトの行動原理というのが、現代生活でも形を変えて表出している。
・日常の中で感じる、快不快のスイッチや、危機管理の感覚などはすべて原始の生活から説明できそうという立場。
・衣食住を満たすために行われていた営みに通じる行動が快のベースになっている。
・旅行が楽しいと思うのは、新しい食料や資源を追い求めて新しい地を転々としていた狩猟生活の名残である。
・スポーツは、狩りの代替として立ち上がってきたもので、スポーツ万能=狩りがうまい=ヒトとして有能、と感じる。
・動物や植物に対する好奇心も、長い狩猟採取生活と家畜管理の観点から、自然原理や動物の行動、状態を把握することに慣れ親しんできた影響といえる。
・物語を見て感動できるのは、ヒトの共感能力と想像力が高いため。共感力はヒトの社会性に欠かせないファクター。
・表情やストーリーから感情を想像する力が高く、感情を移入することができるのもヒトの能力。
・他者の感情を想像する能力、行動を模倣する能力によって、ヒトは人間生活について学習する。
・物語を学習と捉えると、世の中の原理を前もって知っておくことによって危険や未知に備えていると考えられる。
・また、想像力ゆえに、実際に体験していないことを疑似体験でき、快のスイッチを意識的に能動的に入れることができることもヒトの特徴。
・現代のコンテンツエンタメや遊園地のアトラクション、食レポを楽しんで見るという行為がこの想像力を活かした快スイッチの空作動といえる。
・快のスイッチというのは、つまるところ、脳内でドーパミンが出ているということになるようだ。幸福のセロトニンというより、気持ちいいドーパミン
・原始の記憶で連綿と受け継がれてきた感覚をROMとすると、理性やロジックでそれを押さえ込んでいる部分がRAM。RAMは書き換え可能。 

人の欲求の中での物語の位置づけ。

物語が人をどういう理由で惹き付けて、それらがどういった共通構造を持っているかということを調べるにあたって、大塚英志さんという方が大御所っぽい。
物語消費論改 (アスキー新書)

物語消費論改 (アスキー新書)

・物語(いわゆるコンテンツ)を消費するのは、世界を理解したいという欲求から来ている。
・世界というのは自分たちの生きているこの世界、ひいてはともに社会を構成する人間の行動のパターンを知っておきたいという動機。
・物語の構成としても、表現されている世界を面と捉え、その面の上に引かれる線がひとつの物語として捉えられる。世界がしっかり成立していれば、その面上にはいくらでも線が引けて、物語が無数に生まれる。
・なので世界を構成する一部の情報(線の一部としての点)を集める行為そのものが物語を消費しているとも言える。
・二次創作という行動は、その世界を理解するための手段であり、創作を通じてその世界と同一化したい、面上の空白を埋めたいという欲求の現れ。
・物語との距離を縮めようとする欲求が、自らの物語創造へと駆り立てているとも考えられる。
・創作による同一化の欲求が転じて、作者になりたいという欲、さらには発信したい欲と結びつくのが現代の創作を下支えしている。
・創造性を自家栽培できない人をサポートするためのシステムの最たるものとしてRPGゲームがある。元々用意されている物語をちょっとした想像力とコントローラーの操作で立ち上げていくという行為。
・以前は物語が最終的に回収される大きな世界は、現実の歴史や政治であったが、それがファンタジー上でのみ成立する歴史(サーガ)や脱政治に移行していったのが近年。
・さらに現実の歴史や政治やらから徹底的に抵抗することで、対照的に照らし返すという手法も用いられてきた。それを寓話と呼んでいる模様。
・人は物語を通じ、世界に帰属することを望んでいると考えられる。所属の欲求。所属先の把握の欲求
・いままで人は物語を通じて帰属先の世界のルールを把握してきたが、現代においてはその帰属先がなくなってしまったため、いくら物語を消費しても決して現実には満たされないという現象が起きている。
・そしてそれが昨今の物語ソフトの氾濫を呼び起こした。
・ファンコミュニティで、物語の批評を行ったり二次創作をすることで世界に対する理解を深め、世界との距離を縮めていく。自らの創造力が足りない人をサポートする手立てがあれば、参加のハードルを下げつつ、世界に参加しやすくする。
・ディズニーランドは、アトラクションを通じて世界の体験を目論んでいるという点で物語消費的。
 
・また物語それ自体の構成を考えると、ベースは類似した流れに沿っている。
・基本的に、自分が弱い状態、世界が悪い状態で、どこかに行って、強くなって良くなって帰ってくる、というもの。
・何パターンか分け方あったけど、以下の31ステップにわけられるのが一番細かいやつだった。
  1. 不在(両親が死ぬ、宿敵の家族が死ぬ、主人公が犠牲者になるなどで何らかの不在や欠如が起こる。マイナスの出発。)
  2. 禁止(なにか制約がある。島を出てはイケないなど。)
  3. 違反(2.の禁止事項が破られる。その結果、災いが起き、宿敵が現れる。対立構造の成立。)
  4. 情報の要求(宿敵が諜報活動をして、宝や王女などの入手の秘密を聞き出そうとする。)
  5. 情報入手(宿敵が力づくや何かの方法によって、宝に関する情報を手に入れてしまう。不利な状況に。)
  6. 策略(その上で、宿敵がある策略を企てる。世界征服や、主人公の殺害など。)
  1. 幇助(主人公はまだ無垢であるため、宿敵の策略を助けてしまい、更に不利な状況に追い込まれる。)
  2. 加害、欠如(そして、主人公が決定的ななにかを失う。ここから物語が動き出す。マイナスの設定。1~7は省略されることもある。)
  3. 派遣(主人公が依頼者から欠如した何かを取り戻すように依頼される。ここで任務が設定される。)
  4. 任務の受諾(主人公が依頼者からのミッションを渋々ながら、悩みながらして、受諾する。冒険に出る決意をする。)
  5. 出発(行って帰ってくる、の、行くが発動。)
  6. 先立つ働きかけ(贈与者が現れ、主人公に特殊能力を付与するための試練を与える。主人公が試される。助手を手に入れる準備だったりも。)
  7. 反応(12の試練をクリアしたり考えを改めて成長したりする。12,13が繰り返されるのがゲームのレベル上げだったり、物語のメインだったりする。)
  8. 獲得(贈与者から特殊な能力を授かる。呪具。渡されるとは限らず、奪うというパターンもある。特殊スキル保有者がお供してくれるパターンも。)
  9. 空間移動(空間的に移動して、ボスのところまで行き着く。出発点から一番遠いところ。)
  10. 対決、闘争(ボスとバトルする。)
  11. 標付け(バトルの結果、主人公に何かしらの印が付けられる。戦ったという印。一度ボスに敗れることもある。)
  12. 勝利(ボス戦になんだかんだ勝利する。)
  13. 加害あるいは欠如の回復(最初にあった主人公のマイナスが回復する。もしくは回復せずとも自分の成長によって欠如が気にならなくなる。)
  14. 帰路(最初の地点に戻る。大抵の物語はここで終わって良い。行って帰るのプラマイゼロ、欠如と回復のプラマイゼロで、2大回復完了。)
  15. 追跡(主人公の帰路において、新しい敵や敵の仲間が追ってくる。)
  16. 脱出(追跡者から逃れるプロセスがある。贈与されたアイテムを再度使用する場合もある。)
  17. 気付かされる帰還(追われる身でからがら逃げてくるのでこっそり帰ってくる。悪評が立っていたりする?)
  18. 偽りの主張(ニセの主人公が登場する。主人公の成果を横取りする。主人公の親しい人物だったりする。)
  19. 難題(主人公はニセモノの嘘を暴こうとするが、そのために乗り越えるべき課題が課せられる。)
  20. 解決(そしてその難題を乗り越える。)
  21. 認知(ここで17の標付けが生きてきて、お前は本物だという認知がなされる。)
  22. 露見(ニセモノがニセモノとして露見する。)
  23. 変身(主人公が身を隠さずにすむようになり、本当の姿に返信する。ドラゴンとかになったり。)
  24. 処罰(ニセモノに制裁がくだされる。)
  25. 結婚ないしは即位(ハッピーエンド)

その上で物語(コンテンツ)とはどういうものだろうか。

現代においては、所属するべき「世界(物語が回収される大きな物語)」というものがなくなった。世界に回収される学びなき、単なる快感装置としての物語は、ポルノであると言えるのかもしれない。
原始的な快感センサーを刺激するだけの物語は、ポルノであり、ポルノであるがゆえにいくら消費しても飢餓感が増す。それが昨今のコンテンツの氾濫を助長している。あらゆる場面で感動と共感による物語を見出し、利用する。
だが本来的には、物語は何かしら世界(はたまた人生)に対しての学びが無くてはならないと思う。一方で、どれだけつまらない物語でも、誰かにとっては学びがあるのかもしれないとも思う。例えそれが女子高生の恋愛クソ映画であっても。
学びのない物語が無価値という価値観は、人生とは何かに燃やすべきものですべては真剣に何かを達成しようとするために費やされるべきだという視点に立っていて、人生暇つぶし論者(まあ人生は死ぬまでの暇つぶしではあるのだけれど、何らかの達成すらも目論まない、徹底した消費者)にとってはポルノだろうがなんだろうが、どうでもいい議論ではあるのかもしれない。
 
人は何かしらの欠如感を持って生きている。同時に自分は特別だという感情、それを信じたいという感情を持っている。いつかサクセスするんじゃないかと。こんなもんじゃないという自分に対する期待がある。それはもともと物語によって醸成されたものかもしれないけれど、物語を消費することで更に強化されていく。そういった欲求を満たしてくれるストーリーを見るのが心地良い。自分を重ねる。いつか報われること、いつかこの欠如感から開放されてハッピーエンドを迎えることを期待して生きている。そしてそれが仮想の中であっても、達成されると嬉しい。疑似体験によってドーパミンが出る。気持ちいい。が、現実世界は一歩も進展していない。これが学びなきポルノの例である。少しでも現実を生きることが楽になるような視点の発見でもあれば、それは世界について学んだと捉えていいと思う。
 
小説→マンガ→アニメ→実写→VR、とイマジネーションの入り込む余地がどんどん少なくなる媒体へ移行するのは、頭を楽させて世界を識ろうとする現れであり、物語が人の一生では消費しきれないほど存在する現代においては、効率の良さを考えると仕方のない流れなのかもしれない。
VRやテーマパーク体験は現実世界もとい日常生活と物語との隔たりがしっかり認識できるが、その隔たりが破壊されていくARなどの技術やデバイスによって物語消費はどう変わっていくのだろうか。どこからが物語でどこまでが現実かわかりにくくなっていくとしたら。それによって現実世界の仮想化が起こりうるとしたら。日常生活の非日常化を招き、現実世界をファンタジー的に大胆に生きれるようになったりするのだろうか。日常が物語とマージされた時に、人はなにを学び、どう活かすのだろうか。

たまにいる、めちゃいい香りする人の謎が解けた。

電車の中、街ですれ違ったとき、なんとも言えない高貴で、高級ホテルのバーラウンジみたいな香りがする人がいる。免税店の香りもそれに近い。包まれたような心地よい気分になる。あれはどういうふうにしたら真似できるんだ?ってずっと思ってた。住んでる家の香りなの?柔軟剤なの?体質なの?とかもうわからん。

AXEみたいなボディスプレーから、アバクロの香水まで試した。試しに試したけど、あの香りじゃない。どこにもない。香りの違いじゃなくて、それじゃない感。

ちなみにAXEはこれが一番いやらしくない香りがする。 

アックス(AXE) フレグランス ボディスプレー キロ 60g

アックス(AXE) フレグランス ボディスプレー キロ 60g

 

アバクロの香水は世界一女性にモテる香りと言われているそうな。 

 

安いしか試してないからかなと薄々気付いていたけれど、免税店とか百貨店に売ってる香水ってブランド品ばかりで、無駄に高い印象で、それが答えだったらつらみ、と思って敢えて敬遠してた。けど、もうそこにしかヒントがない気がした。

東京で香水探すにはどうしたら良いですかみたいな知恵袋みて、新宿伊勢丹に行くことにした。どうやらフレグランスマイスターみたいな人がいて、香りのイメージを伝えると、ぴったりのものを探してくれるらしい。

そして新宿まで足を伸ばして覗いてみた。

知恵袋でみたとおり、入口に女性のマイスターがいた。フレグランスコーナーは見た感じ、ちょっとカジュアルな雰囲気で、いかにも高いでっせ、というのは全然なかったので、ふらーっと入っていってしまったのが運の尽き。

「知らないブランドのものばかりなのに死ぬほど高い...」

今まで1瓶(100mlくらい)で5,000円でも高いって思ってたのに、余裕で2万円くらいするものしかない。無理だ。って門前払いを喰らって立ち尽くしてたら、マイスターが「どういったものをお探しですか?」と気さくに話しかけてくれた。もうここで気取るのも違うなと思って、正直に「街ですれ違ったとき...」という冒頭のくだりを話すと、まず香水というものには、という説明をしてくれた。大体ここに書かれているようなことを丁寧に教えてくれた。

ふむふむなるほど。高い理由はわかったけど、それがそのまま疑問の答えになってるのか?と訝っていると「これなんかどうです?」と差し出された香りを嗅いだ瞬間、脳に電撃が走った。

「これ...だ...!」

まさに、自分が探し求めていた重厚感、高貴な雰囲気をまとってた。大正解。それが、オードパルファンだった。もうそこからは2万円の香水が全然高くみえなくなっていて、日割りすれば1日150円じゃん?みたいな。長年の疑問が解けて嬉しい一心。ちなみに家に帰ってきて今まで買ってきた5,000円程度の香水たちは軒並み、オーデコロンかオードトワレだった。

結局、2時間くらい散々試してこれを買ってきた。

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フレッシュな金木犀の香りと、森の朝霧のような感じを彷彿とさせる。これを付けるたびに、自分がきれいに浄化されていく気分になって、本当に良い。

 

〜これが半年前の出来事〜

 

月日が経つのはあっという間で、気付いたら伊勢丹で買ったやつが空になってしまっていた。2万円もしたのに早すぎる!と思ったが、もう虜。気付いたら新宿伊勢丹にいた。

ただ、同じものを買い続けるほどにはこなれてないなと思い、今度は「FLEUR D'ORANGER 27と似た香りで、香りの持続性が長いもの」というオーダーで探してもらった。ちなみに、ボディオイルやクリームをつけた上からつけると香りが長持ちするらしい。豆。なかなか同じようなものがなくて、少しチャレンジにはなるけど、というので、気に入って買ってきたのがこれ。

だいたい50mlを気兼ねなく使うと半年くらいでなくなるから、ちょうどいい楽しみができてよかった。新宿伊勢丹に感謝。

「問題解決プロフェッショナル」で足腰を鍛える。

教科書的な雰囲気があって、面白かった。頭の中が整理される感じ。
新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

 

 

考えるときの基本態度

ゼロベース思考

  • 外の人間から見ると、さほど重要でなくみえたり、当たり前に見えたり、そう信じてやっていることを、今一度、どうしてそうなっているか?どうやったらそれを良い方向に変えることができるか、ということを考えること。
  • 今あるアセット、状況を整理して、なにをどうやって活用して、どこをどう変えれば、事態が好転するかを考えること。もちろん、そこには今伸びている新しい市場に関する知識もあったほうがよく、例えば、XX市場が消費者の行動とともに拡大しそうだが、そこにうまくフィットして差別化するために自社の技術が使えないか、というような発想の起点を作ることができる。
  • あらゆることは変更可能、打破可能、破壊可能と考えて動くこと。じゃないと何も始まらない。必ず解決策はあるという前提で考える。
  • それも、じゃあどうして今変えにくい状況になっているの?とか、打破しにくいの?とかボトルネックを考えていくことが、はじまりのはじまり。
  • で、その思考をするときのコツとして、顧客に対して最大の価値を提供するにはどうしたらいいかを徹底的に考える事。
  • 特段、アートのように、ゼロから奇跡的な打ち手を考える必要などなく、今の枠組み、しがらみ、事情などを一度無視して、顧客に最高の価値を提供するにはなにをどうやって提供すればいいかを考え、そこに出現する課題を紐解いて行けばいい。
  • ZARAドトール、ドミノピザ、のゼロベース思考の例が書かれているが、まさに「ばかなる」と重なる。
    • これらの共通点として「なぜXXなのか」「XXなのが当たり前」という現状をどうにかして打破できないか。
    • 業界常識的に、ZZという構造があるからXXを打破できないんだとしたら、ZZという構造をそもそもYYに換えてしまったらトータルで顧客に提供できる価値が最大化するんじゃないか。という思考。
    • 特に、既得権益を得ていた企業が、規制緩和がきっかけでベンチャー企業にひっくり返されてしまうのは、規制の枠ありきでビジネスしているからで、その枠がなくなったとしたらもっと顧客に価値を提供できるのに、と日頃から考えていないことのしっぺ返しなのかもしれない。
※「ばかなる」
「バカな」と「なるほど」

「バカな」と「なるほど」

 

仮説思考

  • アクションに移せる結論を、思考段階に関わらず常に持っていること。
    • 1つのアクションは100の論評に勝る。
    • まずは現実世界を変えるための行動指針を示すこと。それが大まかな方針でも良いのである。
  • どの時点でもアクションに繋がる結論を持っていることが前提だが、その上で、背後のロジックを考えること。
    • ベースからロジックを積み上げていくことも時には必要だが、まずは大きく方向づけたアクションがどうして良いかというのを、逆方向へ紐解いていく。
    • おそらくXXがZZになっていて、YYはうまく行っていないと考えられるので、こうした方がいい、というのを出したあとに、本当にそうなの?とか、あやふやになっている部分を考え直して、結論に反映させていくという方式を取ったほうが、全体像を把握しやすくて良い。議論が今どこにいるかがわかりやすいので、些末なことに時間を使わなくてすむ。
  • 完璧など無いので、今考えられる最善のベターな策を実行に移すこと。
    • 実行していくうちに、より精度が高く、改善実施にストレートに有用な情報が入ってくるため。
    • これは日常生活でも実感できるもので、実際に行動してみたり、商品を買ってみたりして、必要な情報が何かわかるとか、比べてみて、どのスペックをみたら、どの店に行ったら、よりコスパの良い家電を手に入れられるかが、実感をともなってわかってくるというものに近い。
  • インプットは、アウトプットに必要な分を過不足なく持っているのが最高の状態。というのも、なにかを良くすることに繋がる、いままで世の中に存在していなかった情報=アウトプットはすべての正義だからというスタンスだからである。
    • 完璧なインプットが100%だとすると、大体60%くらいのインプットで一回目の方向付けができるのが通例で、まずは右か左かという大まかな方向を早い段階で見定められるかどうかが、その先の情報収集を更に効率よくするという点で重要。
  • とにかく、ビジネスにおいて、無駄な情報収集ほど悪なものはない。
 

基本技術

MECE

  • 経営資源(ヒト・モノ・カネ)をどこにどういう配分で偏らせるかが戦略の意義。ということは、その効率が良ければ良いほど、勘所が的確であればあるほど、勝ち(競合との差別化、優位性向上)につながる。
  • 他にも原因がないだろうか、解決策がダブってないか、と誰でも考えていることを意識的に行うこと。
  • 市場、消費者、自社、競合の動きを把握する。ニーズをもれなく正確に把握する。なんか当たり前だけど難しい。
  • 一番見落としがちなのは、市場の動向だが、市場は結局消費者が支配している。
  • その他、という項目を予め組み込んでおかないと、知らない、ということで漏れてしまう要素が出て来る。
  • もれが発生することで、本当はクリティカルな原因を見落としてしまう可能性がある。
    • 大きな枠組み、いま考えている枠の外の世界を想像する。
  • 解決策にダブりがでてくることで、一石二鳥という場合もあるが、効率を落とす可能性がある。どこがダブっていて、どこがダブっていないかを考えて動く必要がある。
  • 自社の強み(忘れがち)弱み、競合の強み弱みを、フェーズ、セグメント別で考える。顧客に対して、市場に対して、チャネルに対して、自社他社の強み弱みを考えるという具合。
  • マーケティングの4P。Product,Price,Place,Promotion,else。は考える切り口をMECEにしたカンペのようなもの。
  • りんごの陳列棚にアップルパイのシートを置くと、陳列棚のダブリという側面からだと、効果的ではないかもしれないが、りんごをそのまま食べるときより多くのりんごが売れる可能性を喚起しているので、効果的なダブりだとも言える。ダブリが常に悪いわけではなく、ダブリによって何が得られるのか、という部分を考える必要がある。

ロジックツリー

  • 物事を考えるときに、因果関係を丸で囲って、矢印を付けるあれ。それがロジックツリー。
  • 図示することが大事。図示は、脳が曖昧で忘れやすいという性格を補う。事象の相互関係整理と洗い出しに役立つ。思考と違って、ふわふわと消えないから。
  • 一旦書き出すと「他にはないか?」「これはなぜ起こったか?」に脳のRAMが使えるようになるから。
  • 問題の裏返しだと解決策にならない理由は、原因究明ができていないから。問題→原因→解決策という具合。表面上の事象を解決しても、原因が潰れない限り再発する。
  • 解決策は、実施可能なもの、継続可能なものでないと、効力が無い。机上の空論で終わらないためにも、シンプルで徐々に取り入れられそうなものから、という方法もある。
  • 痩せる、というワードに引っ張られずに、それを、体内から不要な蓄積物を除去する、と言い換えられるかどうか。
    • そもそも食べても吸収されない、という飛んだ発想をできるかどうか。
    • 時間軸も同時に考えて、長期的に効果があるもの、短期的に効果があるもの、とできるかどうか。
    • 途中、他にもありそうだけど今は思いつかないというものに関しては「???」としておく。
    • これも結局、太る、というプロセス、体内に不要な蓄積物が溜まっていくというプロセスを紐解いていく、という作業にほかならないし、溜まってしまったあとにどうするか、という時間軸を見れるかどうか、という部分でもある。
  • 財務分析も各項目をMECEに分けてつぶさにみていけば、どうして今の状態が生み出されているかがわかる。PLレベルでやるか、BSレベルまで含めてやるかで、事業としての厚みは変わってくるが。
  • 現象に対して対応してはいけない。現象を引き起こしている原因とその因果関係をロジックツリーであぶり出して、それを解決するようにする。
  • 採算性の合わない事業であっても、全体にもたらしているメリットなどを考えずに、切ってしまうと、実はその事業をやっていることで基礎技術が研鑽されていたりして、長期的に見ると、技術力が衰える可能性もあるので、対象の事象が影響しているであろう全要素を出し切ることが大切。世界の外にまで視野を広げて考えてみるのがよい。
    • 著者はこれをビジネスの因果律と呼んで、最重要視しているとのこと。
    • 納得。ストーリーとしての競争戦略も同じロジック。
    • 相互がどうやって関係していて、お互いどうやって高め合うようにできるかを考えることが大事だというスタンスでやっているから。

 

プロセス編

  • 2by2のマトリックスで二軸比較で可視化するとわかりやすい。
    • 二軸で分けるときには、その軸にはグラデーションがかかっているということを気をつけたい。
    • 右左ゾーンでゼロイチじゃなくて、軸なので、程度問題があるということ。(0.5,0.5)の対象の存在を忘れがち。
  • チャートで要素ごとに状態を比較するとPros,Consが出やすい。
    • 要素自体の漏れも気にしつつ。
  • で、大事なのは、どの要素がどういう理由で優先度高くなるか。Aをみて、そのAが満たされていなかったらアウト、というそういう条件(ノックアウトファクター)が何で、どうしてか、が大事。
    • 例として、ビジネスマンの価値を「やる気」と「能力」で分けたとき、「やる気」がノックアウトファクターで、これがないことが、「能力」ないことより優先する。
    • なぜなら「やる気」のあとに「能力」が開花するという時間軸で考える事ができるからである。
    • 「やる気」があればあるほど「能力」が開花しやすいという依存関係もある。
  • 利益額=(価格ーコスト)x販売量、なので、各々をコントロールできるか?が考えるべきポイント。
    • WTP(Willingness To Pay)は販売量引き上げ、価格引き上げ、両方にかかっている。
    • 販売量は、商品の知名度はたまた市場占有率を考えるのがベーシック。
  • フレームワークというものは、MECEとロジックツリーを活用しながら、都度こしらえるもの。
  • ファクトベースの検証がなされているか。Fact。想像や推論ではない。
    • 解決策に対して、仮説を立てて、それをファクトベースの検証にかけていく。
  • 戦略を評価する際に、ハード面、ソフト面で考慮すべきは以下。
    • 期待成果:デカイかどうか。
    • 投入資源:カネヒトモノがどのくらい必要か。
    • リスク:差別化、市場の読み。
    • 展開スピード:早いか。
    • 企業のスタイルと一致しているか。
    • トップの決意は同意はあるか。
    • 推進してくれる人がいるか。
  • 戦略を取捨選択する過程では、投入資源で制限をかけていることが多い。で、それはネガティブな除外方法だと思う。
    • 今一度本当にその制限を突破できないか考えてみる。お金と人って本当に確保できないの?とか。
    • 期待効果が小さいから、というのは、どうしようもない理由なので、改善しようがない気もする。
  • やる気が保てる(ソフトな部分、推進できるかとかに関係)かというのも実は大事で、継続可能なシステム、やる気がでて、パフォーマンスが最大化される目標設定って、ソフト面なのでぼんやり見逃されがちだからこそ、明文化して要素として意識していったほうが良い。
 

実践編

  • 競合をどこと想定するか。競合を考える上で、どのセグメントを押さえられると辛いかを考えると真の競合が見えてくる。
    • チャネルを押さえているところが真の競合かも知れないし、低コストで代替品を提供しているところが真の競合かも知れない。
  • 市場シェアは、顧客へのアクセス(カバー率)x競合勝率と見て、シェア低迷の原因が、カバー率と競合勝率のどちらにあるのかを考える。
  • 新しいことをはじめるときには、自社の強みをてこにする以外に選択肢がない。じゃなければその会社がやる意味がない。
  • 顧客(ユーザー)を行動別に細分化し、活用。違った施策を施工し、違った行動を取らせる。
    • 80%の怠け者ユーザーへのバックマージン減らした分を、20%のアクティブユーザーに報奨金として与えてアクティブ率を高める。
  • チャネルが成立してユーザーが集まると、次のステップとしてあれもこれもとなりがちだけど、よくよく考えてやらないと、パン屋さんが家庭用パン製造機を売っているという事態に陥りかねない。街の雑貨屋現象。保険のセールスが化粧品や金融商品やらを売り出して、特徴がなくなって、飽きられるというパターン。
    • これがなんでだめかというと、自社商品でお互いを食い合うということと、なんでもできる、という印象は、人の記憶に残りにくいのかなとも思う。手薄になるから、その商品を本気で売ってるところに勝てないレベルの中途半端な商品を出し、消費者の検討の俎上にすらあがらず、忘れられていくという。
  • できない、難しいということを徹底的に嫌がり、どうにかこうにか工夫して、どうにかしてやろうという力が重要。
  • 意地になるというか、裏をかいて発想して驚かせてやりたいという気持ち。
  • ない情報は頭で考えて作り出すというスタンス。
  • 全体の数字と、それを分割したサブカテゴリ的な数字を合計したものが一致するかをみれば、漏れがないかを確認できるという当たり前だけど、なるほどな技。
  • 市場の期待値と、こちら側から提供できている満足度のギャップが大きいと、市場自体は小さくてもチャンスになりうる。満たすべきギャップはニーズだからである。
  • キーパーソンを説得することが結局最後ボトルネックになるシーンがあって、そこも押さえておかないとビジネスってうまくいかないんだよなというエピソードがあった。
  • リーダーというか、意思決定者との握りというか。めんどくさいけど。というか、それを説得するロジックがあることが大事。ファクトとロジック。そしてそれを受け入れてくれる風土。人。
 

あとがき

  • (元も子もないが)大事なのは、とにかくよく考え、自己責任において自分の仮説を持って前向きに実行する力があるかどうか。
  • 相手をロジックでやり込めるのは目的じゃない。
 

その他・考え方のコツ

  • これは書籍には書いてなかったけど、
    • 理想状態はどういう状態かを、その場のイメージではなく、文字として表現する。
      • 例:XXというコミュニティ内でコメント機能が活発に利用されている。
    • で、今はどうしてそうなっていないかを考える。
    • 大事なのは、そういう状態(この例だとコメント機能が活発に利用されている状態)になるために、誰に何をしてもらったらいいか、そういう状態にするためにはどういうものをどういう状態で提供すればいいか、そういう状態がうまくいっているところはどうやって工夫していそうか、というのを考えること。
      • 例:コメントをする側の心理として、そもそもの場が過疎ってるとしにくいから、コメントが相対的に盛り上がっている場所へと誘導して、見かけ上の密度を高く見せることで、コメント利用のハードルを下げる。どういう人にどういうタイミングでどういう見せ方・誘導をしたら、理想状態が作り出せるかを考える。
      • 最後の最後に、機能や施策や実施に落とし込むところでアイデアの発想力が問われる気がしている。
    • これは川崎さんが、マンガが娯楽の上位に来ている人に、毎日、宣伝ツイートをしてもらうという行動を起こしてもらうことでNUUを稼ぐ、としたあの図がわかりやすい。
    • 行動を引き起こさせるというゴールが明確にもてている。
  • 関係ないけど、本文中にAmwayが出てきたので調べたら、Amwayの分析している人がいたけど、仮説と検証がファクトベースでできていそうだし、取れない情報も仮説立てて示唆だししてて、分析と考察として優れていたので。

「行動デザインの教科書」行動を起こしてもらうエネルギーを下げるには。

消費者の行動のなぜ(Why)を知ることより、もっと具体的に、消費者の行動をどうやって(How)起こさせるかということを知りたくて読み始めたら、すごく参考になった。 
人を動かすマーケティングの新戦略 「行動デザイン」の教科書

人を動かすマーケティングの新戦略 「行動デザイン」の教科書

 

 

これのウェブサービス版みたいなので「Hooked ハマるしかけ」というのがあるけれど、日本語訳が、原文が透けて見えるほど、もどかしいくらいに読み辛くて苦戦しているので、そのうちエッセンスをまとめる。 
Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

  • 作者: ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山裕樹,高橋雄介,山田案稜,TNB編集部
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2014/05/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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行動市場の捉え方

  • 大抵のことは代替品で間に合っているということを念頭に、あるシチュエーションや行動が起こるときに、なぜ自社製品が使われるかを考えてみる。
  • 人がとる行動ベースで市場をくくってみる。その時に、あり得るその他の行動が、行動市場としての競合と捉える。
  • 人の一日の行動で、どんなときに、どういう気分になると、その製品を使いたくなる、使っても良いとなるか。
    • 同じ目的、気分、時間帯の中で選ばれる可能性のある選択肢の集合体が行動ベースの市場。
  • 行動量が増えている市場は狙い目。
    • 行動量=参加者(その行動を取りたがる人数、世の中の雰囲気、状況、の増加)x リソース投入量(時間、お金、その頻度、量)
      • 参加者が増えそうにない行動は、リソース投入の頻度と量を増やすにはどうしたら良いかを考える。
    • 最近だと、フィットネスクラブが乱立して、乳酸飲料のR-1がヒットしているのが身をもって分かる。健康に気を使う市場が拡大しているのだろう。
      • 社会の成熟度がそうさせているのか。そう思うきっかけが増えているのか。労働をしすぎないようにとする流れや、スリムでヘルシーな生活が送れるレベルの経済的な余裕が出てきた人が多くなってきたりとか。価値観の流布。
      • ただ、そのあたりの「なぜ」は、次のトレンドを考えたり、他のトレンドを読み解く上では大事だが、行動を起こさせるという目的においては不要としていい。(じゃないと考えすぎる癖がある。深く掘ろうとしても掘りきれない領域でもあるから、深度ではなく、種類を考えた方がいい。)
  • 市場を行動量で捉え直すなら、施策も行動量別に打つというのが正しい。
    • ある行動をよく取る人、たまにしかとらないけど1回が長い人、多い人、行動を取るシチュエーション、行動量を軸にする。
  • 行動と意志や動機(気持ち)は別。行動ベースで考える。どれだけ好きだと言ってくれる人でも、ちゃんと使ってくれなければ、お金を払ってくれなければVIPではないと捉えるべし。

具体例

  • シネコン(映画館)は、映画を見るための場所ではなく、ゆったり座りながら時間を過ごすための場所と価値の転換をした。映像(アニメ、映画)市場ではなく、デート行動(市場)に入り込んだ。
  • ヨーグルトは、人の行動ベースの市場では、朝食市場、間食市場、健康市場といった市場に登場する。競合は、乳製品市場ではない。
  • 早朝からヘビーな会議があり、それが終わった昼前くらいにちょっと一息入れたいという意識と、コーヒーブレイクという行動の接点に「しっかり甘みのあるコーヒー」という商品がリンクしていたりする。ヘビー仕事にちょっと一息市場。

行動を起こしてもらうためのエネルギー

  • 基本的に人は動いてくれないと思った方がいい。あとは大抵、代替品があったりする。なんとかしてることが多いのだ。
  • 使用行動を起こしてもらうには、エネルギーとコストとリスクが少ないほうがいい。人間は変化を面倒くさいと感じる生き物である。
  • 周囲に同調するという行動は、思考コスト削減になる。合わせておくことで不和を避けられるという利点も。
  • 損をするという働きかけは、得をするという働きかけより強い。
  • 行動をしやすい、したくなる「環境」を整備、お膳立てしてあげることが行動誘発には大切。意識(精神的なエネルギーサポート)ではなく、行動にいたる物理的な活性化エネルギーをサポートしてあげる。
    • なぜその人がその行動をとったのか、という事実(無意識な行動)から、欲求や動機を掘り下げていくと分かるものがある。
  • 行動のアクセルを加速させる方法。
    • 急がせる、対決させる、食べ物で釣る、限定する、対比する、帰属意識を刺激する、挑発する、投票させる、選択させる、サイズを変える。
  • 行動のブレーキを緩和する方法。活性化エネルギーを下げる方法。
    • お膳立てする、お墨付きをつける、やりやすくする、現場を近づける、アクセスを良くする、口実をつくる、ファッションに絡める、身体を強制的に動かしてみる、名前をつけて親近感、本気度、子供心をくすぐる。
  • マズロー欲求5段階説とかで考えがちだけど、実際に人が行動を起こす時に、そこまで精神的な思考は巡らせていない。結果、そう考えられるよね、というだけ。
  • 広告でも、その場でどういう気分か、どういう動機があるかを見極めて、行動のハードルが低いところに合わせるのが大事。サンプリング用のシャンプーは道端で配るより、旅行代理店のカウンターで配るべき。旅行先で使うので有用=もらうという行動が生まれやすい。
    • そう考えると、駅でスマホのゲームの広告を出しているのは理にかなっているんだなと思う。待ち時間の暇つぶし。
    • 若者のキャラメル離れを防ぐために、街頭で配るんじゃなくて、伸びてる市場に乗っかる形で、コーヒーと合わせると美味しんだよ、懐かしくリラックスできるだろ?という意味で喫茶店で無料配布した方がいい。(喫茶店が伸びてる市場かは知らないけど。)
  • 人は、それほど重要ではない選択に関してはなるべくエネルギーをかけないようにする。
    • レビュー評価はお墨付きの一種であり、そのエネルギーを削減してくれる。
  • 行動を継続する支柱は、「快感」「近い」「実効的」である。楽しくて気持ちよくて、アクセス(近さ、手に入りやすさ)しやすくて、自分にとって意味がある、ものである必要がある。
  • こと継続においては、「飽きさせない」という仕組みが人間の行動を習慣化させる。習慣化して生活の一部となり、依存がなされないと、いつまでたっても学習期を引っ張り続ける必要が出てくる。

どうやって活用したら良いか

  • 生活者を観察して、なぜその人がそういう行動をとったのかということを考えて、どこにどういう欲求と行動トリガーが転がっているかを考える。
  • お酒は飲みたいけど、色んな事情で飲めない。が、飲んでる人と対等に扱われたい、お酒を飲んでいないことで仲間はずれにされたくない。
    • ここで、敢えてお酒ではなく、お茶が選ばれる道理があるという環境を作り出すことでロイヤルブルーティーが選ばれることを狙った。
    • なので、低価格のソフトドリンクと同じではいけないし、お酒を選ぶ選択肢もあったけど、敢えて、という見え方をいかにさせるか、という部分が大事になってくる。
  • 何をしてもらうのか。→誰にしてもらうのか。→いつどこでしてもらうのか。→どういう気持ちでそれをするのか。→どうしてそれをしたくなるのか。→どうやってそれを誘発するのか。→ほんとにしたのか。というステップで組み立てる。
    • 例えば、アプリを例に取ると、1日の中でのアプリの起動頻度を上げてもらう。→スキマ時間にちゃちゃっと立ち上げてもらう→暇が潰せないかなという期待→開くたびに面白いコンテンツが更新されているから→ローカルプッシュでお知らせ、一日の更新スケジュールが朝昼夕方夜と決まっていたりする→振り返り、という具合かな?
  • 新しいものを提供したい場合、既存の行動や価値観に滑り込ませるのも良い。
    • ロイヤルブルーティーというお茶、香りを楽しんでもらいたい、高級であることを単なるお茶として理解するのではなくて料理に共する嗜好品として位置づけて欲しい。→ワインボトルに入れて、ワイングラスで飲む情景を広告に使用した。レストランでも高級ワインと同じように扱ってもらえる。扱う側もやりやすい。

自分用メモ

  • ターゲットを「属性」「意識」「価値観」でくくるのではなく、「行動特性」で規定する。
  • ターゲットがどういう人かという内面的な価値観や意識に踏み込みすぎても意味がない。
  • なぜなら、意識や価値観というのは、ターゲットの行動量とあまり相関していないから。好きだけど買わない、好きだけど使うのをやめた、という人はゴマンといる。
    • ある体験をした後にそれをSNSでシェアするかどうかというような区切りを考えてみても、動機や価値観は踏み込みすぎてもあまり意味がない。
    • どうしてシェアしたくなるのか、くらいは考えても良いかもしれないが、「面白かったから人にも教えたくなった」「イケてて人気のまだないモノにアンテナを張っている自分をPRしたかったから」という1段階目の掘り下げでやめておくべき。
      • さらに「どうしてそういうふうに思われたいのか」まで踏み込んでも、効果的な打ち手が見つかることはあまりない。
      • どうやってその行動を取ってもらうか、どういうふうにしたら、どういう人達がどういうシチュエーションでその行動を取りたくなるかにフォーカスすべき。Howの部分。
  • 意識は見えないが、行動は見える。
  • ターゲット層が、どのくらいの量をどのくらいの頻度で、どういうシチュエーションで消費するかという物理的な情報。
    • 価値観や意識が違ったとしても、おなじ消費行動をとっているならその人達を分けても意味がない。
      • むしろ、来店頻度、年収、生活時間帯、1回の購入額、とかでちゃんと分けるべき。
      • 有閑セレブだろうが、ひもニートだろうが、昼に来店して、2,3種類の商品を買っていくという行動をとっているのならば、同じセグメントとして施策を打つべき。
  • まず行動特性で絞り込み、その後にデモグラフィックデータと動機で絞り込む。
    • 例として、歯磨き粉を別ブランドにスイッチさせるという事例を考える。
    • 歯磨き粉を買い換える頻度が高い行動特性がある人達は?
      • 家族分の歯磨き粉を買う主婦。(購入の頻度は高いが、それぞれの好みのものを機械的に買っていくだけ。コスパは気にしそうだが。)
      • オーラルケアの意識が高くて、職場でも磨く人たち。(歯磨き粉に対しての意識が高そうで、職場と家に1つづつ買わせるという手法が効きそう。)
        • この人達は、容姿は微妙でも、せめて、息がきれいであることくらいにはプライド(というかボーダーライン)を持ちたい女性?加齢臭が気になっていて、とにかく女性に嫌われるポイントはできるだけ減らしたい男性?最近歯磨きすると血が出てしまってそろそろかなと思ってようやく歯周病を気にしだしたシニア?
        • というのは、職場でも歯を磨くという行動に絞り込んだあとで効果を発揮する。
    • ペルソナは、都合の良いように作り上げないようにした方がいい。こうだろうなというのは大抵間違っているとふんでかかったほうがいい。
    • ここで、そもそも歯磨き粉を買う人はどういう気持ちで買っているかや、どういう時に歯磨き粉を買いたくなるかというのは瑣末。買う前提で考える。どう買うか(頻度、タイミング、どういう用途のために、という具体的な変数)が大事。
  • ペルソナを作り上げるうえでも行動ベース。フィジカルで環境的な要因で分ける。
  • そのカテゴリの商品をどれくらいの頻度でどれだけ消費するか。その背景には個人のどういう事情や環境要因があるか。
    • スポーツをしているから水分摂取量が多い、加齢して食欲がなく大きなサイズを食べ残す、孫のために冷蔵庫にヨーグルトを買いだめしている。など。
    • でいうと、外出が多いので待ち時間が細切れに発生するとか。肉体労働なので夜は早く寝てしまう、とか。パソコンが夫婦で共用なのでネット環境はスマホしか無い(のでスマホでエロ動画みる)とか。

思ったこと・考えたこと

  • 基本的に、人は暇だから、自分の欲求を、社会的に満たしたいと考えて良いのかな。社会的なつながり、自己の満足、自己の実現という欲求の階段を登る。
  • 昼寝市場って未開拓だよなあ。昼寝用ドリンクとか面白そう。プラシーボ効果でも。
    • 特にトラックの運転手さんとか、タクシーの運転手さんとか、徹夜続いてるエリートサラリーマンとか。昼寝をする人、したい人。
  • 思い立ったらすぐに手軽に時間かけずに楽しい気分になれるかどうかが重要。
  • 時間を無駄にするリスクがあるから、楽しいモノだけで、その人の時間を埋めるのが重要。あと、探すコストが発生するのは良くない。楽しむまでの道のりのコストを下げたい。
    • スマホでゲームするとか考えると、
    • スマホをアンロックする。
    • ゲームアイコンを見つける(大抵フォルダに入ってるだろうから、1スワイプ2タップということころかな)
    • 起動する。
    • 起動した後に待つ。
    • ロードされるのを待つ。
    • 目当てのクエストを探す、もしくは、面白そうなのが無いかなと探す。
      • 探すために必要な情報が過不足なく提供されているかが重要。
    • 見つけてタップする。
    • 外なので振動や、光の加減で見にくいとかありそう。
    • つづく....
  • 損をしたくないという心情をうまく使ったらどうなるかな。
  • 映画や音楽や小説などのコンテンツの消費は、気分を高揚させたりリラックスさせたりといった気分の切り替えたりするのに使われているような。
    • 朝の気分転換市場
      • 音楽を聞く。
      • ニュースをチェックする。
      • Twitterをチェックする。Facebookをチェックする。
      • やる気の出る本を読んで、気合を入れる。
    • 昼のリフレッシュ市場
      • 好きなアーティストの音楽を聞く。
      • コーヒーを飲んで、お気に入りの服をECサイトでみる。
      • ちょっと美味しいランチをする。
    • 夜のリラックス市場
      • 一人で見つけたお気に入りのバーに行ってみる。おしゃれで自分が特別な気分になれる。
      • ちょっと高いプレモルとかを買って、家でAmazonプライムかアニチューブで映画、アニメをみてお菓子を食べる。
      • 録画しておいたお笑い番組を観る。
      • 自己啓発本を読んでゆっくりする。
      • なんなら本を読みながらお風呂にゆっくり入る。
      • 日記を書く。
      • 昔の写真を見返して思い出にふける。で、懐かしんで癒やされて、みんな頑張ってるんだから、と自分に喝をいれる。
      • (友達とLINEでおしゃべりするのは、他の欲求も入っているので除外したほうが良さそう)
    • 一日を通して、手持ち無沙汰なときに、暇を潰す。
      • 楽しく暇を潰したい。自己有能とポルノ。
  • 人の欲求が移り変わる現代において、行動量が増えそうな市場ってどういう気分になれるところなのかな。
    • 精神的にリラックスしたい。
      • これが逆に辛くなってきた。働くスキルというのがツールの充実によってコモデティ化してきたからかな。
    • 社会的なつながりを感じたい。
      • これは容易になってきた。が故に↑が辛くなってきたというのもありそうだけど。
    • 自己を満足させたい。
    • 自己実現したい。

ロボットにできなくて、人にできることって、なにかな。

ロボット(ほぼ人工知能を意味している)にできないことってなんだろうなっていうのを考えるきっかけがあったので書く。
 
まずは、先日読んだこの本によると、
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代

 
・パターン化できる単純な作業の繰り返し仕事は、諸外国の安価な労働力とロボットとコンピュータに代替される。
・知識を持っていることに価値はなくなるので、その知識から示唆を出したりアイデアを練り上げることに価値がでる。
・ハイコンセプト:パターンやチャンスを見出す力。アーティスティックで美を生み出す力。新しい概念を生み出す力。
・ハイタッチ:人間関係の機微を感じ取る力。人の喜びを見出し、日常から意義を見つけ出す力。
・豊かになり、機能的で低価格なものは手に入りやすくなったからこそ、感情に訴えるデザインが重視されてきた。
・スペックが溢れているからこそ、そうではない”物語”が相対的に重視されるようになってきた。
・複数の領域を跨いで、抽象化した概念を統合できる人の価値が上がっていく。
・右脳が大事ということではなく、左脳だけでは足りない時代になってきた。
らしい。
 
で、タイミングよく、先日ラジオで、この回を聞いた。

ここで言われていたのが、
・飲食業を「食べ物」「場」「人」で分けて考えると、各領域において「外食業の解体」が行われている。
・「食べ物」:ロボットとか、冷凍とかで人手がかからない方向に。
・「場」:デリバリーやレンタルスペースで店舗依存度下げる。
・「人」:接客。ここだけはなかなか置き換えられない。
・だから、外食産業は二極化していく。
・この3領域の組み合わせの妙で楽しめたり、特に「接客」が差別化になったりするんじゃね。
という話。
 
似たようなことを言っていて、現時点でロボットにできないと考えられていることが、3段階に分けられると思った。
①具体的な事象郡から、共通する抽象的な概念を抽出し、それらを組み合わせて新しいアイデアを発想すること。(新機軸の発想)
②人の感情の機微を理解し、スペックではなく、感性に訴えかけていくこと。(感情の理解と共感)
③殴るとか、説得するとか、叱るとか、責任をとらせるとか、人間の存在やつながりが重要になること。(人間が人間であること)
 
①については、達成できる気もする。アイデアの発想ロジックというのは方法論としてたくさんあり、答え合わせも人間が正解らしきものを知っていたら可能だからである。あとはデータ量の問題だったりするのかもなと。
 
ところが、②については、相当難しいかもしれないと思っている。というのも、人間の感情獲得のプロセスを考えると、特定の個人の感情獲得というものが、特定の体験をした時に感じるものの蓄積で、その時の気候や、誰と体験したか、その時点でのその個人の生活文脈など、様々な変数上に成立していて、そのノイズと混じり合ってなお、自分自身でも形容し難い複雑な感情を体験し、それを時間をかけて獲得していくからである。このプロセスをつぶさに再現するのは不可能に近く、そもそも正解がわからないものを評価できないと思ったからである。ただ、商業的にこういうデザインや構造は人間の快を刺激する、というような程度の判断はできるようになりそう。それは感情理解というより、商業トレンド分析に近い。
 
そして③に至っては、人間側の価値観を転換することでしか達成できない。人間が人間としてつながっているからこそ、人間が人間として存在を認知でき、実際理解不能で、柔軟な発想の元、あらゆることを仕掛けてくる可能性がある自分と同じ人間だからこそできることがあって、そこを無機質なロボットが代替できるとしたら、それはロボットが、人間らしいということ、人間が人間を認知するすべての要素を備えていることにほかならない。見た目だけじゃ男ってわからない、男の娘のようなレベルで、ロボット人間が生まれているんだろうか。
 
でも案外、感情とか人間性とか獲得しなくても、ロボットが金銭的な報酬が生み出せるようになるだけで、人って動いてしまうもので、ロボットが人を使って自分のできないことをカバーしたりするのかもな。僕の労働でうまれたコストカット分の10万円あげるから、あの人殴ってきて、とかね。
 
 

「ストーリーとしての競争戦略」タイトルで食わず嫌いして損してた。

「ストーリー」という単語から今流行の「ブランディングには物語が必要だ」(で、どうしたらいいんですか。)という表面的な話かと思って毛嫌いしてたけど、サンプル読んでみたら全然違った。硬派だった。500P近くあって長編だったけど、その分、なぜそうなるか、そう考えたかが、こと細かに書かれていて、リラックスして読めた。以下のメモには解釈が入ってるので、正確な記述は書籍を参照。 

 

この本の元ネタとなった「「バカな」と「なるほど」」も積読中。「ストーリーとしての競争戦略」のほうが納得感ある。両書の肝要である、非合理的な打ち手の非合理性を、先見性に求めるか、自社のその他の打ち手との相互作用に求めるかの違いなのだが、自分でどうにかできる度が高い「ストーリーとしての競争戦略」のほうが好き。

「バカな」と「なるほど」

「バカな」と「なるほど」

 

 

トーリー戦略の構造

  • 「ストーリー」とは、戦略上の各要素同士が、どう組み合って、関連しあって、どういうカラクリで競争力が出ているか、という話の流れのこと。
  • 競争力とは、他と違うことをすること、という説明に尽きる。
  • 利益を生み出す源泉は、低コスト化とWTP増加(Willingness To Pay、お金を払いたい気持ちが他の競合製品よりも強い)とニッチ戦略しか無い。
  • (本書のキモであるが)「いっけん非合理的に見える打ち手」を打てるかどうかがカギ。
    • その非合理性は、自社の他のすべての打ち手と相互作用することで、自社としては合理的になるようなもの。キラーパスと呼ぶ。他社がそのまま真似しても自分の首を締めてしまう打ち手。
    • いっけん非合理というのが重要で、成長市場に目をつけたり、規制緩和に目をつけたり、誰でもやりたいというようなものは、すぐに競合ひしめき合ってしまうので美味しくない。
  • ポジショニングはトレードオフと心得る。何を犠牲にするかを決めると理解しやすい。
    • ポジショニングとは、程度の問題ではない。画素がいいディスプレイが競争優位性になるということではなく。テレビ用には向いてないけど、水中ではものすごい使い勝手が良いディスプレイとか。
    • どんな顧客に嫌われて、何をしないか。
    • 具体的には、コストと品質のトレードオフだったりする。で、通常100であるその合算値自体を300にするのがオペレーションエクセレンスの競争力。
  • オペレーションエクセレンスは人材の作業効率だったり、作業品質だったりがジリジリ効いてきて効果を発揮することが多いので、他社にも一朝一夕では真似されにくい。企業内での暗黙知にもなっていたりするので、何がオペレーションエクセレンスのカギになっているか見えにくい。
    • Amazonはレコメンドがすごい、とわかったところで、そのレコメンデーションロジックがわからないと真似出来ないのに近い。
  • すべての打ち手が相互作用することで、全体の競争優位性を生み出している。
    • 結局のところ、戦略というのは、自社が活動している環境の中での、汎用性のない特殊解を見出す作業。
  • それらをコンセプトが束ねあげている。立ち戻るべきはコンセプト。
    • なにを提供するかが不明確なものに人はお金を払わない。
    • 顧客が、本当のところ、何に対して価値を見出してお金を払っているのかを突き詰める。
    • ここをコンセプトと呼ぶ。スターバックスはコーヒーを売っているのではない。
  • そもそも業界が儲かっているか、業界構造として利益が出やすいかは重要。
  • 他社に追随されるというのが基本的な懸念としてある。競争戦略とは、他社と違ったことをして利益を生み出すためのシナリオなので。
  • 全体のパスはこんな感じ。
    • 【ピッチコンディション】業界が儲かってるか。(when)
    • 【リーグの状況】業界構造として利益がでやすいか。(where)
      • ここでは先行者優位を狙えれば良いよね。というくらい。
    • 【シュート】コスト優位性なのか、WTP優位性なのか、ニッチ狙うのか。
    • 【監督】コンセプトはなにか。
    • 【パス回し】自社のSP(what、ポジショニング)、OC(how、オペレーションエクセレンス)郡はなにか。お互いがどうつながっているか。
      • 相互作用すればするほど、お互い強化し合えばし合うほどよい。
    • キラーパス】他社から見ると一見非合理に見えるが、自社にとっては合理的な打ち手はあるか。
    • 【試合振り返り】上記を統合した時に、「真似されにくい」「コンセプトを提供できている」「利益が出ている」か。(why)
  • 競争優位性を何で生み出すか(コストかWTPかニッチか)→コンセプトは何か→SP(ポジショニング)とOC(オペレーションエクセレンス)はなにか→キラーパスはどうするか→戦略の一貫性チェック、という順番で組み立てていくと良さそう。
  • ただし、どこまで行っても、競争優位性はこちら側の話で、顧客になにを提供するかという部分がはっきりしないと、意味がない。

わかりやすさのための事例

  • SPの優れた例
    • ガリバーインターナショナルの​買取専門という位置づけ。
      • オークションに流すことを前提に買取専門とすることで、安定した買取価格、在庫リスク減を実現している。
      • 中古車(または新車)を売る、という行為から開放されるからこそ、店舗での在庫を考えながら(下取り価格、人気車種の在庫状況)買い取りしなくてよくなった。
  • OCの優れた例
    • セブンイレブンの仮説検証型発注。
      • 店員が持っているローカルな情報にもとづいて発注されるので機会最大化している。
      • 仮説を立てやすくする教育環境や全体会議のあり方などが暗黙知的に確立されているため模倣されにくい。

Tips

  • 企業の設立当初はディシジョンメイキングによって発揮できるSPで優位性を求め、その後OCを強化していくという流れが一般的。
  • 筋の良さは、蓋然性、要素同士のつながり、パス回しの中心となるボランチ的な存在があるかどうか。
  • コンセプトは人間の本性を捉えたものである必要がある。生活者の行動から、どんなものがあったらみんな喜ぶか、ということを徹底的に考えるしか無い。
  • 他社が模倣をしようとすると、非合理的なキラーパスを打てなくて、逆に全体調和を崩して差が開いていくパターンもある。キラーパス大事。
    • キラーパスは業界の常識を疑うような態度でうまれることがある。
  • すべて合理的な打ち手で構成された戦略も模倣はされてしまうが、オペレーションエクセレンスに支えられたものがあれば模倣までには時間がかかる。