よいちろ日記

忘れないようにメモ。

「デスノート Light up the NEW world」全然ニューワールドじゃなかった。

見に行く前からネットの評判があまりよくなかったので、怖いもの見たさで観てきたのでメモ。
 
 
結論としては、
デスノート Light up the NEW world」(以下映画デスノート)は、「DEATH NOTE」(以下マンガデスノート、原作)が表現していた、読者がロジックを理解することで喜びを感じるような頭脳戦はばっさり切り捨てた、「アンフェア」や「踊る大捜査線」のような情熱刑事と上層部との衝突、それを乗り越えるアツい主人公、時には敵味方関係ない友情物語であり、デスノートファンお呼びでない!商業的には及第点取りたいよ。
という映画であったと考えている。
 
読者(視聴者)が自由に時間を止めて理解できるまでストーリーや思考ロジックを追えるメディアであるマンガと違って、映画では全員に同じレベルの共通理解を持ってもらうことを、作り手側が担保する必要がある。その結果、今回の映画デスノートでは難しいロジックを表現することを諦めている。マンガデスノートファンがあの特有の頭脳戦を期待して観に行き、がっかりするという構図になっていると思う。
 
マンガデスノートを映画という表現方法で再現することを諦めた映画デスノートは、(マンガデスノートのあの興奮を求めて見ると)まったくもって面白くない。ストーリー展開が単調で、デスノート特有の裏をかいたトリックやデスノートの仕組みを使ったキラのあぶり出しなどはない。が故に、登場人物の思考のあらが目につく。プランBもなく作戦実行。敵に丸腰で突っ込んでいく。敵側も敵側で出たとこ勝負で待ち構えている。というのが気になりすぎて、もはや内容などは入ってこないレベルで面白くない。(※ 特に、ノートの所有権を偶発的に取り戻すような計画になってしまっているという点が致命的。マンガデスノートだったら自分の行動をプログラム化して絶対に安全な状態でしか所有権を取り戻せないようにするみたいなことやっていたはずだけど、映画デスノートではそういった計画がなさすぎて何度も危機に陥りそうになる。)
 
一方で、「相棒」「アンフェア」踊る大捜査線」シリーズが商業的に大コケしていないという事実から、あのストーリーラインを好む層は一定いるはずで、今回の映画デスノートもおそらく同じくらいの成功が見込めるんだと思う。全然ニューワールドじゃない。あえて古株のマンガデスノートファンを惹きつけることを諦めた戦略が吉と出るか凶と出るか。
 
初週の映画興行収入ランキングを見る限りだと、一旦は目的を果たしているようにみえるが、真価が問われるのは2週目と思われる。「王様のブランチ」経由で「東出かっこいいし、ノートで殺すとかオカルトっぽくてヤバそうだし、友情アツいし、難しいトリックとかでてこないし、おもしろいからそれでいいじゃん!」というメイン層を惹きつけられるどうか。もうそうやって売るつもりで作ってるんだろうな。

f:id:yoichiro0903:20161107004517p:plain

 
メイン層へのアプローチが思ったほどうまく行かなかったときは、マンガデスノートファンのもどかしさをうまく利用するパターンが来ないかなと注目している。具体的には、発声可能上映で客から総ツッコミさせるとか、自宅で一時停止しながらあーでもないこーでもない言える用に上映同時DVD販売とか。「僕の考えた頭のいい映画デスノート」をネット上で盛り上げてくれてもいいと思う。そのために冒頭30分くらい無料で公開しちゃったりして。もはや”あら”を逆に楽しむという路線。
 
まあ単純に(どちらかと言うと全巻4回くらい読んでるし)原作ファン側の自分からすると物足りないの一言である。
 
前回までの映画デスノートの反響とか収益とか振り返ったうえで「映画という媒体で、あの頭脳戦を表現するのは無理」として、こういった方針に切り替えたのだと推測されるけど、逆にもっと原作ファンを喜ばせる方に寄せるという方針もあったはずで、普通にそういうの観たいです。