よいちろ日記

忘れないようにメモ。

「行動デザインの教科書」行動を起こしてもらうエネルギーを下げるには。

消費者の行動のなぜ(Why)を知ることより、もっと具体的に、消費者の行動をどうやって(How)起こさせるかということを知りたくて読み始めたら、すごく参考になった。 
人を動かすマーケティングの新戦略 「行動デザイン」の教科書

人を動かすマーケティングの新戦略 「行動デザイン」の教科書

 

 

これのウェブサービス版みたいなので「Hooked ハマるしかけ」というのがあるけれど、日本語訳が、原文が透けて見えるほど、もどかしいくらいに読み辛くて苦戦しているので、そのうちエッセンスをまとめる。 
Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

Hooked ハマるしかけ 使われつづけるサービスを生み出す[心理学]×[デザイン]の新ルール

  • 作者: ニール・イヤール,ライアン・フーバー,Hooked翻訳チーム,金山裕樹,高橋雄介,山田案稜,TNB編集部
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2014/05/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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行動市場の捉え方

  • 大抵のことは代替品で間に合っているということを念頭に、あるシチュエーションや行動が起こるときに、なぜ自社製品が使われるかを考えてみる。
  • 人がとる行動ベースで市場をくくってみる。その時に、あり得るその他の行動が、行動市場としての競合と捉える。
  • 人の一日の行動で、どんなときに、どういう気分になると、その製品を使いたくなる、使っても良いとなるか。
    • 同じ目的、気分、時間帯の中で選ばれる可能性のある選択肢の集合体が行動ベースの市場。
  • 行動量が増えている市場は狙い目。
    • 行動量=参加者(その行動を取りたがる人数、世の中の雰囲気、状況、の増加)x リソース投入量(時間、お金、その頻度、量)
      • 参加者が増えそうにない行動は、リソース投入の頻度と量を増やすにはどうしたら良いかを考える。
    • 最近だと、フィットネスクラブが乱立して、乳酸飲料のR-1がヒットしているのが身をもって分かる。健康に気を使う市場が拡大しているのだろう。
      • 社会の成熟度がそうさせているのか。そう思うきっかけが増えているのか。労働をしすぎないようにとする流れや、スリムでヘルシーな生活が送れるレベルの経済的な余裕が出てきた人が多くなってきたりとか。価値観の流布。
      • ただ、そのあたりの「なぜ」は、次のトレンドを考えたり、他のトレンドを読み解く上では大事だが、行動を起こさせるという目的においては不要としていい。(じゃないと考えすぎる癖がある。深く掘ろうとしても掘りきれない領域でもあるから、深度ではなく、種類を考えた方がいい。)
  • 市場を行動量で捉え直すなら、施策も行動量別に打つというのが正しい。
    • ある行動をよく取る人、たまにしかとらないけど1回が長い人、多い人、行動を取るシチュエーション、行動量を軸にする。
  • 行動と意志や動機(気持ち)は別。行動ベースで考える。どれだけ好きだと言ってくれる人でも、ちゃんと使ってくれなければ、お金を払ってくれなければVIPではないと捉えるべし。

具体例

  • シネコン(映画館)は、映画を見るための場所ではなく、ゆったり座りながら時間を過ごすための場所と価値の転換をした。映像(アニメ、映画)市場ではなく、デート行動(市場)に入り込んだ。
  • ヨーグルトは、人の行動ベースの市場では、朝食市場、間食市場、健康市場といった市場に登場する。競合は、乳製品市場ではない。
  • 早朝からヘビーな会議があり、それが終わった昼前くらいにちょっと一息入れたいという意識と、コーヒーブレイクという行動の接点に「しっかり甘みのあるコーヒー」という商品がリンクしていたりする。ヘビー仕事にちょっと一息市場。

行動を起こしてもらうためのエネルギー

  • 基本的に人は動いてくれないと思った方がいい。あとは大抵、代替品があったりする。なんとかしてることが多いのだ。
  • 使用行動を起こしてもらうには、エネルギーとコストとリスクが少ないほうがいい。人間は変化を面倒くさいと感じる生き物である。
  • 周囲に同調するという行動は、思考コスト削減になる。合わせておくことで不和を避けられるという利点も。
  • 損をするという働きかけは、得をするという働きかけより強い。
  • 行動をしやすい、したくなる「環境」を整備、お膳立てしてあげることが行動誘発には大切。意識(精神的なエネルギーサポート)ではなく、行動にいたる物理的な活性化エネルギーをサポートしてあげる。
    • なぜその人がその行動をとったのか、という事実(無意識な行動)から、欲求や動機を掘り下げていくと分かるものがある。
  • 行動のアクセルを加速させる方法。
    • 急がせる、対決させる、食べ物で釣る、限定する、対比する、帰属意識を刺激する、挑発する、投票させる、選択させる、サイズを変える。
  • 行動のブレーキを緩和する方法。活性化エネルギーを下げる方法。
    • お膳立てする、お墨付きをつける、やりやすくする、現場を近づける、アクセスを良くする、口実をつくる、ファッションに絡める、身体を強制的に動かしてみる、名前をつけて親近感、本気度、子供心をくすぐる。
  • マズロー欲求5段階説とかで考えがちだけど、実際に人が行動を起こす時に、そこまで精神的な思考は巡らせていない。結果、そう考えられるよね、というだけ。
  • 広告でも、その場でどういう気分か、どういう動機があるかを見極めて、行動のハードルが低いところに合わせるのが大事。サンプリング用のシャンプーは道端で配るより、旅行代理店のカウンターで配るべき。旅行先で使うので有用=もらうという行動が生まれやすい。
    • そう考えると、駅でスマホのゲームの広告を出しているのは理にかなっているんだなと思う。待ち時間の暇つぶし。
    • 若者のキャラメル離れを防ぐために、街頭で配るんじゃなくて、伸びてる市場に乗っかる形で、コーヒーと合わせると美味しんだよ、懐かしくリラックスできるだろ?という意味で喫茶店で無料配布した方がいい。(喫茶店が伸びてる市場かは知らないけど。)
  • 人は、それほど重要ではない選択に関してはなるべくエネルギーをかけないようにする。
    • レビュー評価はお墨付きの一種であり、そのエネルギーを削減してくれる。
  • 行動を継続する支柱は、「快感」「近い」「実効的」である。楽しくて気持ちよくて、アクセス(近さ、手に入りやすさ)しやすくて、自分にとって意味がある、ものである必要がある。
  • こと継続においては、「飽きさせない」という仕組みが人間の行動を習慣化させる。習慣化して生活の一部となり、依存がなされないと、いつまでたっても学習期を引っ張り続ける必要が出てくる。

どうやって活用したら良いか

  • 生活者を観察して、なぜその人がそういう行動をとったのかということを考えて、どこにどういう欲求と行動トリガーが転がっているかを考える。
  • お酒は飲みたいけど、色んな事情で飲めない。が、飲んでる人と対等に扱われたい、お酒を飲んでいないことで仲間はずれにされたくない。
    • ここで、敢えてお酒ではなく、お茶が選ばれる道理があるという環境を作り出すことでロイヤルブルーティーが選ばれることを狙った。
    • なので、低価格のソフトドリンクと同じではいけないし、お酒を選ぶ選択肢もあったけど、敢えて、という見え方をいかにさせるか、という部分が大事になってくる。
  • 何をしてもらうのか。→誰にしてもらうのか。→いつどこでしてもらうのか。→どういう気持ちでそれをするのか。→どうしてそれをしたくなるのか。→どうやってそれを誘発するのか。→ほんとにしたのか。というステップで組み立てる。
    • 例えば、アプリを例に取ると、1日の中でのアプリの起動頻度を上げてもらう。→スキマ時間にちゃちゃっと立ち上げてもらう→暇が潰せないかなという期待→開くたびに面白いコンテンツが更新されているから→ローカルプッシュでお知らせ、一日の更新スケジュールが朝昼夕方夜と決まっていたりする→振り返り、という具合かな?
  • 新しいものを提供したい場合、既存の行動や価値観に滑り込ませるのも良い。
    • ロイヤルブルーティーというお茶、香りを楽しんでもらいたい、高級であることを単なるお茶として理解するのではなくて料理に共する嗜好品として位置づけて欲しい。→ワインボトルに入れて、ワイングラスで飲む情景を広告に使用した。レストランでも高級ワインと同じように扱ってもらえる。扱う側もやりやすい。

自分用メモ

  • ターゲットを「属性」「意識」「価値観」でくくるのではなく、「行動特性」で規定する。
  • ターゲットがどういう人かという内面的な価値観や意識に踏み込みすぎても意味がない。
  • なぜなら、意識や価値観というのは、ターゲットの行動量とあまり相関していないから。好きだけど買わない、好きだけど使うのをやめた、という人はゴマンといる。
    • ある体験をした後にそれをSNSでシェアするかどうかというような区切りを考えてみても、動機や価値観は踏み込みすぎてもあまり意味がない。
    • どうしてシェアしたくなるのか、くらいは考えても良いかもしれないが、「面白かったから人にも教えたくなった」「イケてて人気のまだないモノにアンテナを張っている自分をPRしたかったから」という1段階目の掘り下げでやめておくべき。
      • さらに「どうしてそういうふうに思われたいのか」まで踏み込んでも、効果的な打ち手が見つかることはあまりない。
      • どうやってその行動を取ってもらうか、どういうふうにしたら、どういう人達がどういうシチュエーションでその行動を取りたくなるかにフォーカスすべき。Howの部分。
  • 意識は見えないが、行動は見える。
  • ターゲット層が、どのくらいの量をどのくらいの頻度で、どういうシチュエーションで消費するかという物理的な情報。
    • 価値観や意識が違ったとしても、おなじ消費行動をとっているならその人達を分けても意味がない。
      • むしろ、来店頻度、年収、生活時間帯、1回の購入額、とかでちゃんと分けるべき。
      • 有閑セレブだろうが、ひもニートだろうが、昼に来店して、2,3種類の商品を買っていくという行動をとっているのならば、同じセグメントとして施策を打つべき。
  • まず行動特性で絞り込み、その後にデモグラフィックデータと動機で絞り込む。
    • 例として、歯磨き粉を別ブランドにスイッチさせるという事例を考える。
    • 歯磨き粉を買い換える頻度が高い行動特性がある人達は?
      • 家族分の歯磨き粉を買う主婦。(購入の頻度は高いが、それぞれの好みのものを機械的に買っていくだけ。コスパは気にしそうだが。)
      • オーラルケアの意識が高くて、職場でも磨く人たち。(歯磨き粉に対しての意識が高そうで、職場と家に1つづつ買わせるという手法が効きそう。)
        • この人達は、容姿は微妙でも、せめて、息がきれいであることくらいにはプライド(というかボーダーライン)を持ちたい女性?加齢臭が気になっていて、とにかく女性に嫌われるポイントはできるだけ減らしたい男性?最近歯磨きすると血が出てしまってそろそろかなと思ってようやく歯周病を気にしだしたシニア?
        • というのは、職場でも歯を磨くという行動に絞り込んだあとで効果を発揮する。
    • ペルソナは、都合の良いように作り上げないようにした方がいい。こうだろうなというのは大抵間違っているとふんでかかったほうがいい。
    • ここで、そもそも歯磨き粉を買う人はどういう気持ちで買っているかや、どういう時に歯磨き粉を買いたくなるかというのは瑣末。買う前提で考える。どう買うか(頻度、タイミング、どういう用途のために、という具体的な変数)が大事。
  • ペルソナを作り上げるうえでも行動ベース。フィジカルで環境的な要因で分ける。
  • そのカテゴリの商品をどれくらいの頻度でどれだけ消費するか。その背景には個人のどういう事情や環境要因があるか。
    • スポーツをしているから水分摂取量が多い、加齢して食欲がなく大きなサイズを食べ残す、孫のために冷蔵庫にヨーグルトを買いだめしている。など。
    • でいうと、外出が多いので待ち時間が細切れに発生するとか。肉体労働なので夜は早く寝てしまう、とか。パソコンが夫婦で共用なのでネット環境はスマホしか無い(のでスマホでエロ動画みる)とか。

思ったこと・考えたこと

  • 基本的に、人は暇だから、自分の欲求を、社会的に満たしたいと考えて良いのかな。社会的なつながり、自己の満足、自己の実現という欲求の階段を登る。
  • 昼寝市場って未開拓だよなあ。昼寝用ドリンクとか面白そう。プラシーボ効果でも。
    • 特にトラックの運転手さんとか、タクシーの運転手さんとか、徹夜続いてるエリートサラリーマンとか。昼寝をする人、したい人。
  • 思い立ったらすぐに手軽に時間かけずに楽しい気分になれるかどうかが重要。
  • 時間を無駄にするリスクがあるから、楽しいモノだけで、その人の時間を埋めるのが重要。あと、探すコストが発生するのは良くない。楽しむまでの道のりのコストを下げたい。
    • スマホでゲームするとか考えると、
    • スマホをアンロックする。
    • ゲームアイコンを見つける(大抵フォルダに入ってるだろうから、1スワイプ2タップということころかな)
    • 起動する。
    • 起動した後に待つ。
    • ロードされるのを待つ。
    • 目当てのクエストを探す、もしくは、面白そうなのが無いかなと探す。
      • 探すために必要な情報が過不足なく提供されているかが重要。
    • 見つけてタップする。
    • 外なので振動や、光の加減で見にくいとかありそう。
    • つづく....
  • 損をしたくないという心情をうまく使ったらどうなるかな。
  • 映画や音楽や小説などのコンテンツの消費は、気分を高揚させたりリラックスさせたりといった気分の切り替えたりするのに使われているような。
    • 朝の気分転換市場
      • 音楽を聞く。
      • ニュースをチェックする。
      • Twitterをチェックする。Facebookをチェックする。
      • やる気の出る本を読んで、気合を入れる。
    • 昼のリフレッシュ市場
      • 好きなアーティストの音楽を聞く。
      • コーヒーを飲んで、お気に入りの服をECサイトでみる。
      • ちょっと美味しいランチをする。
    • 夜のリラックス市場
      • 一人で見つけたお気に入りのバーに行ってみる。おしゃれで自分が特別な気分になれる。
      • ちょっと高いプレモルとかを買って、家でAmazonプライムかアニチューブで映画、アニメをみてお菓子を食べる。
      • 録画しておいたお笑い番組を観る。
      • 自己啓発本を読んでゆっくりする。
      • なんなら本を読みながらお風呂にゆっくり入る。
      • 日記を書く。
      • 昔の写真を見返して思い出にふける。で、懐かしんで癒やされて、みんな頑張ってるんだから、と自分に喝をいれる。
      • (友達とLINEでおしゃべりするのは、他の欲求も入っているので除外したほうが良さそう)
    • 一日を通して、手持ち無沙汰なときに、暇を潰す。
      • 楽しく暇を潰したい。自己有能とポルノ。
  • 人の欲求が移り変わる現代において、行動量が増えそうな市場ってどういう気分になれるところなのかな。
    • 精神的にリラックスしたい。
      • これが逆に辛くなってきた。働くスキルというのがツールの充実によってコモデティ化してきたからかな。
    • 社会的なつながりを感じたい。
      • これは容易になってきた。が故に↑が辛くなってきたというのもありそうだけど。
    • 自己を満足させたい。
    • 自己実現したい。