よいちろ日記

忘れないようにメモ。

株式投資って何?からモダンポートフォリオ理論までさらっとわかる「臆病者のための株入門」読んだ。

世の中では当たり前として考えられているけど、一定のリテラシーを持ってる人だったらおかしいって気付くよね、みたいな論調が気に入って読んでみた。いきなり戦術ではなくて、その前提を疑う部分から入ってる感じが好き。見直す用に要諦だけピックアップ。
臆病者のための株入門 (文春新書)

臆病者のための株入門 (文春新書)

 

第1~3章「株式投資はギャンブルである。」

  • 株式投資はギャンブルで、期待値の計算ができないと死ぬので期待値計算できない人はやらないほうがいい。
  • レバレッジをかけながら、複利的に投資することで、大きな利益を得られるという基本原理の説明。インデックス投資の概要説明。
  • ライブドア事件のからくりを説明し、市場の歪みの実例を示している。ただしファンダメンタルズなものではなく、抜け道案内的なもの。
  • デイトレードはチャートを使ったゼロサムゲームであり、競馬と一緒。パフォーマンスの検証も行われているが、優位性がない。
  • 夢物語が流布しているが、それは株式投資のギャンブル的な側面を切り取っただけであることを示す例を列挙。
 

第4~6章「株式市場での合理的なふるまいは限られる。」

■第4章
  • 投資家の仕事は損をすること。もしうまい儲け話があるなら、話を持ってきた人が乗ってるはず。
  • 株式市場は損を薄く広く分散させるためのシステム。損を限定すると冒険的になれるという効用がある。
  • 株式の価値は、企業が未来に生み出す利益の総額で決まる。(アナリストがバリエーションする意味はここかな。)
  • 現在と未来の価値を比較するときには、複利で増えていく利息分を差し引いて考える必要がある。それが割引率である。
  • 年利1%の場合、10年後の1万円の価値は、現在価格では、9053円である。9,053*(1.01)^10=10,000ってこと。
    • 債権投資は基本的に金利(割引率)を当てるゲームである。
  • 株式に関しても同じことが言える。株式の理論価格は、1株利益と割引率で決まる。
外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例

外資系アナリストが本当に使っている ファンダメンタル分析の手法と実例

 
■第5章
  • バフェットは典型的そして徹底的なファンダメンタルズ投資家。個別株への集中投資を得意としていて、銘柄は多くとも10にしている。
  • テクニカルとファンダメンタルズは持ちつ持たれつ。
    • 企業の本質的価値を無視して売買するテクニカルがいないとファンダメンタルズは歪みを利用して儲けられない。
    • 企業の収益予想によって株価が動かないとテクニカルはゲームを始められない。
    • いずれにせよ、絶対に儲かる方法はないので、分派している。
  • プロに資産を預けて運用を任せるのが効率的だが、儲け話は表に出てこない、出た瞬間に割高になるという法則があるので利用価値なし。
    • もし勝率が51%のアナリストやテクニカルトレーダーがいたら、その人に人気が集中するがそうはなっていない。
  • アナリスト予想どおりに株式取引しても、統計的に優位なレベルでの勝率の高さはなかった。サルダーツ投資と同じ戦績だったらしい。
■第6章
  • モダンポートフォリオ理論の結論は、インデックスファンドに投資しろ、以上。
  • 単独で銘柄や市場を選択するよりも、複数を選定することで、リターン(投資の期待値)を高く、リスク(結果の分散)を低くする、最も効率の良い組み合わせを実現可能であるという理論。
    • あるリスク(結果のばらつき度)を規定したときに、その中で最大のリターンを得る組み合わせが存在する。
    • 同じく、あるリターンを規定したときに、結果のばらつきを最小にする組み合わせが存在する。
  • 債権や株式という粒度でこれを行っても良いというのが、効率的ポートフォリオ理論。
  • CAPM理論は、株式の期待収益率を、市場の感応度だけで決まるとし、これが正しければ、効率的ポートフォリオは、市場全体に投資することのみであるとした。
    • これが、インデックスファンドに投資しろ、の理由。もとい、世界市場に投資しろ、である。
    • 人間の経済活動が(何年かかるかわからないけどほぼ確実に)拡大していくことを前提としている。
  • 株価はブラウン運動のようにランダムに動く。偶然のゲームであれば、誰一人有利な情報を手に入れられない。
  • その場合、すべての合理的な投資家は同一のポートフォリオを持つはずである。それが効率的ポートフォリオである。
  • また、すべての投資家が持つ(効率的)ポートフォリオを合計すると、市場に存在するすべての株式の時価総額になる。
  • すなわちそれは、市場全体の縮図を全員が保有していることにほかならない。
  • 実際に、ファンドのパフォーマンスは、インデックス投資と比較して、低いこと多い。ジタバタした分だけ手数料を取られる。
    • だが、それは理想的な状態(世界経済に投資する)を長年(10年か100年かしらんけど)続けられた場合の話である。
    • また、アメリカ市場では正しくても、日本市場では(ここ50年とかでは)正しくないという事実もある。
  • 長期的な予想は、短期的な予想より難しいので、長期投資のほうがリスク(分散)は大きいはず。
  • 株式市場で富を想像するには3つの方法がある。どれを取るかは時間軸と何を強みとするかの問題である気もする。
    • トレーディング:株式投資はランダムなゲームである。(ランダムなので絶対に儲かる方法はない。)
    • 個別成長株投資:市場は概ね効率的だが、僅かな歪みが生じている。(すぐに歪みが解消されるが。)
    • インデックスファンド:資本主義は自己増殖のシステムなので、長期的には市場平均レベルで拡大する。(いつかは知らない)
 

第7~8章「世界市場ポートフォリオに投資するには。」

■第7章
  • リテラシーがない人をカモるのが金融商品のコア。金融リテラシーとは、美味しい話の背後に潜むロジックを常識と合理的な推論によって読み解く技術。
  • 金融商品のからくりがわからないまま、自分自身は損はしていないが、金融商品販売業者を得させていることは往々にしてある。であれば自分が動いて得を取るべきではないか?という話。元本確保型ファンドは、8割をドル建て債権で保有(not 運用)(し、元本を確保しながら、2割を積極投資し、8割運用していないにもかかわらず、10割分の信託報酬を受け取っているみたいな話が裏にはある。
■第8章
  • 資産運用の8割はアセットアロケーションで決まる。マクロを読み違えると、戦術をどう頑張っても徒労に終わる。
  • 20代、30代のうちは、全体資本に占める人的資本の割合が大きいので、人的資本への投資をしたほうが効率が良いと考える。
  • ローンを組んで、マイホームを持つという意思決定は、不動産市場にレバレッジをかけて投資しているということ。
  • 確定拠出年金はすべて世界市場への株式投資で良い。積立金額の上限が決まっている上に、残りの資産が預貯金(債権)であるがゆえに、アセットアロケーション理論と照らし合わせると、合理的な解は1つになる。
  • 世界市場と同じ比率で投資するなら、株式時価総額比率で分配すればいい。日本株は世界の15%を占めている。
    • ざっくり、国内株式15%、米国株式50%、その他海外株式35%でよい。インデックスファンドをこの比率で保有すれば、一旦の最適解にはなる。
    • 為替リスクをヘッジしようとすると、為替差損での儲けを失うことにもなる。が、そのリスクを極端に避けようとするあまり、すべて日本円建てという一極集中リスクを負っていることに気付けていないのではないだろうか。
 
 

参考文献「趣向別に物足りない人向け書籍紹介コーナー。」